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住宅ローン商品を選択する基準とは

特に、住宅ローン商品を選択する場合、適用金利を重視する傾向にありますが、変動金利型住宅ローンや固定金利特約型の住宅ローンに関しては、金利変更時の処理について金利変動による影響を正しく伝える必要があります。当初、期間5年の固定金利型住宅ローンを1.8%の低金利で融資し、固定期間終了後、変動金利型住宅ローンへ移行した際に、適用金利が1.5倍に上昇したと仮定すると年間返済額は上昇し、かつ、所得に対する返済比率も当初の比率を維持するために必要な年間所得額は多くなければなりません。ここで、重要なポイントは、対お客さま向けに「返済額が大幅に上昇する可能性がある」ことをセールスの段階で明確に説明しているか否かという説明態勢の問題と、金融機関内部の審査可否判断基準として返済比率を超えたものを適切と判断するか否かの融資運営上の問題を考慮する必要があります。

金融機関によっては、ALM等の機能を活用し、融資審査の際に、契約時点の金利ではなく借入期間の予想平均金利を適用して返済額を算出し返済比率を求めているケースもありますが、この方法でも金利上昇局面では100%カバーすることはむずかしくなります。新規獲得を前提とした営業推進に注力するあまり、営業店現場において説明がおろそかになるケースも予想されます。また、住宅専門会社との提携により住宅ローンの販促を行うケースの場合は、物件販売を最優先するあまり顧客向けの商品説明に関しては有利な点のみの説明に終始することも想定されます。

また、融資金額を算定する際には、家計所得に対する返済比率を基準とすることが一般的ですが、返済比率算定の際に適用する金利は、何を基準として算定しているのかを説明することも必要となります。さらに、延滞が発生し一定期間を経過した場合は、保証会社へ代位弁済手続を行い、それ以後の返済に関連する回収業務は銀行から保証会社へ移ることを明確に説明する必要があります。仮に、当該手続の実態を明確に説明しない結果、代位弁済後の回収方法等に問題が生じれば、当該顧客は当初借入れをした銀行に対して苦情・クレームをもつこととなり、結果として社会的に悪影響を及ぼす=信用低下による不利益を受ける可能性をも秘めています。

つまり、顧客に対する説明が不十分であったがゆえに、金利特約期間が経過した時点で返済を拒む、さらには現状の金利適用を強要する等によるトラブルが発生することも十分考えられ、結果としてロスが拡大することになります。また、トラブル発生により全額繰上返済という事態どなれば、期待されていた収益を失うことにもなり、想定される当該マイナス要因について、前述の業務プロセスにおける個々め行程で起こりえる可能性を検証し「オペレーショナルリスク」として体系化することが求められるはずであり、営業現場における活動時点の対応を周知徹底し、かつ重点を置いた業務プロセスを体系化することが必要になります。