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住宅ローンを実行する際の注意点

現在の一般的な住宅ローンの業務プロセスを考えた場合、競合する他行との差別化を図り、いかにして顧客を獲得するかという観点から、審査期間の短縮化と同時に、顧客利便性向上のため、自動審査機能の開発や事務集中窓口となる住宅ローンセンターの設置等により審査業務を集中化すると同時に、融資実行後の管理業務をすべて保証会社へ任せる体制により融資残高のかさ上げを行っているのが実態と思われます。住宅ローンに潜むリスクも加味しながら、効率化という観点から本来あるべき住宅ローン業務のあり方について、現状の確認、あるべき将来像という観点から考えてみることにします。住宅ローンに関しては、前述した住宅金融支援機構の調査結果からもわかるとおり、各金融機関は今後も積極的に推進するという方針を変えていません。

ただし、金利競争により今後はますます利鞘が縮小傾向になることから、推進面だけではなく事務効率化やI判ヒも積極的に進めるべく検討をしています。現在の住宅ローン推進のステップを考えると、「推進対象顧客の発見」「最適なアプローチ活動」「最短の審査事務手続」「実行後のフォロー活動」の4つのポイントがあります。推進対象先の選定に関しては「既存の取引のあるお客さま」と[新規対象先]に分類することができますが、既存先に関しては金融機関内部の情報を活用してさまざまな観点から選定することが可能となります。一方、新規対象先に関しては、地元の工務店や不動産会社、宅建業者との提携により対象先を見つけ出すことができます。

他行利用先に関しては営業活動のなかから情報を収集し、案件として体系化して推進することができます。金融機関において、貸出計画を策定するうえでも、推進対象先がどの程度あるのか否か常に把握しておくことは重要となりますので、情報の活用方法を体系化しておくことがポイントとなります。推進対象先が選定されていれば、最適な営業活動をどのように実施すべきかを考えなければなりません。取り扱っている商品をどのようにPRすればよいのか、どのような販売チャネルを活用して実施すればよいのか、基本的には、お客さまが独自に商品を選択できるだけの情報をわかりやすく提示し、興味を示してもらえることが第一であり、サービスの質を高めるプロモーションの是非がポイントとなります。

次に重要となるのは、申込みを受け付けてからいかにして早く審査の可否を伝えるかです。競合他行との差別化を図るうえでも審査時間の短縮は必須のポイントです。現在の金融機関の平均的な審査日数は3、4日といわれていますが(関係会社が保証をしている場合は1~2日程度)、受付から審査、実行までの過程を効率的に行うには業務に精通している専門スタッフが集中的に事務を行うことで、効率化の実現と同時に事務処理ミス防止の効果もあり、検討すべきテーマです。また、個別に審査を行うのではなく、一定の基準に合致している場合は自動的に可否を判定できる「自動審査」の仕組みを活用することも必要です。住宅ローンを実行する際には、物件の引渡しや担保設定手続等は住宅ローン利用者と業者との間に立ち会う必要もあり、営業店現場の事務負担となっているケースもあります。

当該事務負担を軽減することから、事務集中部門が担うことを考える必要があるでしょう。最後に、実行後のフォロー活動をいかに効率的に行うか考える必要があります。金融機関の営業活動は、顧客を獲得するまでは積極的に営業を行うが、獲得後は何もしないという傾向がありました。「住宅ローンに潜むリスク」でも説明しましたが、期限前に返済されてしまったり、突然延滞が発生するリスクは、日々のお客さま管理ができていれば未然に防ぐことも可能です。実行後の管理をどのように行うかを体系化することが必要となります。営業店現場における管理がむずかし場合は、事務集中部門がローン実行後めお客さまを管理し、電話やメール等の通信媒体を活用してフォローすることも検討材料の1つといえます。