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融資審査の自動審査モデルを体系化する

利用者であるお客さまのニーズへの対応、および他の金融機関との競争を勝ち抜くためにも審査にかける時間を短縮する方法論とし、条件面等を自動的に判定する自動審査モデルを確立している金融機関も多くなっています。さきで述べた審査基準として考えられている要因を組み合わせることで、自動審査の仕組みを体系化することができます。一般的に、融資審査の自動審査モデルを体系化する際には、AVR機能という考え方を適用します。自動審査モデルについては、各金融機関によって考え方や運用方法は違いますし、内容的にも異なりますが、「対象者が融資可能な人か否か」「融資した元金の回収ロスは抑えられるか否か」という要因を考慮して、「自動的」に融資判断(金額や金利等の条件面)を行い、一方で、融資できない基準(=カットオフ基準といわれる)の場合は無条件で融資を断り、両条件に合致しない対象先についでは、これまでの取引実績や今後の取引状況の見込みなど人的に判断して決定することが一般的な考え方です。

図については、「借入要件判定基準」と「保全状況判定基準」の組合せにより体系化したモデルです。借入要件判定基準は「借入金額の階層別基準」と「年収階層や年収倍率、外部信用機関の情報等による階層基準」をベースに体系化=評点化します。また、保全状況判定基準は「融資金額に対する物件時価額の比率=LTV」と「年収に対する年間返済額の割合=DTI」をベースに体系化=評点化します。それぞれについて、過去の利用者の借入状態(実行後の返済の状態や延滞の状態)の情報を数年間分用いて検証し、自動的に判定してもよい基準と、自動的にカットする基準を定め、各指標の運用方法を体系化するものです。

統計的手法である1対1対応の考え方で、借入要件の比率を70%、保全状態の比率を30%にする等、過去の情報の検証過程で設定することで、判定の精度を高める必要があります。上記判定方法はあくまでも機械的に融資できるか否かを判定する基準を定めるものですが、融資条件=金利や期間等を決定する際の指標どして運用することもできます。最終的には人的判断により決定するケースが多くなると思いますが、銀行本体による融資審査と保証会社による融資審査ともに、同一の判定基準を用いることで審査時間の短縮を図る等、事務効率化の一環として運用することも考えることができます。金融機関が扱う一般的な住宅ローンに関しては、保証会社保証を利用するケースが多いため、融資審査の際に、対象とする商品の資格要件と保証会社が定める条件に合致していれば、特段の審査をしないケースも多いようです。

また、金融機関は、お客さまから必要な情報を入手し、保証会社へ連絡し、一両日中に保証承諾の可否が届いた段階で審査終了というケースもあるようです。外部保証機関を利用する際には、審査上「保証条件」をしっかり満たしているか否かの判断が重要となりますが、金融機関の関連会社が保証を行っている場合は、最終的なリスクを金融機関グループとして負う必要がありますから、融資判断をする際には、金融機関側と保証会社側が双方同一の基準で判断できる体制を整備しておく必要があるでしょう。保証会社の役割を、住宅ローン業務行程のなかでの「事務集中部門」的存在として活用しているのであれば、リスク管理上も同一基準の見方が必要ですし、お客さまから申し受ける保証料も考慮したうえで、金融機関グループ全体としての採算性を考える必要もあるでしょう。